W 収支相償対策と遊休財産の保有制限対策との相関関係
収支相償対策と遊休財産の保有制限対策は、各施策が相互に関係があります。これらをまとめると次の表のとおりとなります。
対策 |
収支相償の計算への影響 |
遊休財産額への影響 |
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第1段階 |
第2段階(50%繰入) |
第2段階(50%超繰入) |
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特定費用準備資金の積立、取崩 |
○ 積立額は費用として扱う。 |
○ 同左 |
○ 積立額のうち積立年数に応じて算定した当年度分を費用として扱う。 |
○ 積立残高は控除対象財産(4号財産)となる。 |
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● 取崩額は収入と扱う。 |
● 同左 |
● 同左 |
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資産取得資金の積立 、取崩 |
× 影響なし |
△影響なし (ただし公益目的事業の剰余金を全額積立するときは、収支相償を満たしているものと扱う。) |
○ 積立額のうち積立年数に応じて算定した当年度分を費用として扱う。 |
○ 積立残高は控除対象財産(3号財産)となる。 |
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● 取崩額は収入と扱う。 |
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公益目的保有財産(現物資産)の購入、 売却 |
× 影響なし |
△影響なし (ただし公益目的事業の剰余金を翌年度等に全額購入資金に充てるときは、収支相償を満たしているものと扱う。) |
○ 購入対価を費用として扱う。 |
○ 帳簿価額は控除対象財産(1号財産)となる。 |
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● 売却代金は収入と扱う。 |
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公益目的保有財産(金融資産)の積立、 取崩 |
× 影響なし |
△影響なし (ただし公益目的事業の剰余金を翌年度等に全額積立資金に充てるときは、収支相償を満たしているものと扱う。) |
○ 積立額を費用として扱う。 |
○ 帳簿価額は控除対象財産(1号財産)となる。 |
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● 取崩額は収入と扱う(原則として取崩はできない)。 |
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会費および入会金の充当先会計区分の変更 |
× 通常は影響なし |
○ 使途不特定の会費等の充当先を法人会計等に変更することにより、収支相償の計算上、収入額から除外できる。 |
× 影響なし |
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指定正味財産として受ける寄付金の創設 |
○ 指定正味財産として受けることにより一般正味財産の経常収益が減少して、当該減少額だけ収支相償上も収入から除外される。 |
○ 帳簿価額は控除対象財産(5,6号財産)となる。 |
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引当金の創設・ 消費税未払計上の実施 |
○ 引当金の計上等により公益目的事業の費用が増加して、収支相償の計算上も費用増になる。 |
○引当金の計上等により負債が増加して遊休財産が減少する。 |
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公益目的事業の区分統合 |
○ 公益目的事業に黒字である事業と赤字である事業があると損益が通算される。 ○ すべての公益目的事業が一本化されると第1段階の判定が不要になる。 |
× 影響なし |
× 影響なし |
× 影響なし |
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公益目的事業の対価引き下げ |
○ 対価の引き下げにより公益目的事業の収益が減少して、収支相償の計算上も収入減になる。 |
○ 対価の引き下げ等により流動資産が減少して遊休財産が減少する。 |