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[2]J 内部取引勘定の相殺消去等

上記Iまでの過程で作成した貸借対照表及び同内訳表は、同一の会計区分内で内部取引勘定である「他会計短期貸付金」「他会計短期借入金」(「公益目的事業会計」「収益事業等会計」「法人会計」等の表記をする場合を含みます。以下同じ。)が両建て表示になっていたり、現金預金などの一部の科目がマイナスの表示になっていることがあります。これらを整理するため、一定の修正仕訳を入れる必要があります。

貸借対照表内訳表を作成しない場合

 (イ)公益社団・財団法人であって収益事業等がない場合や、(ロ)公益社団・財団法人であって収益事業等から公益目的事業への利益の50%ジャスト繰入をしている場合は、内部取引勘定である「他会計短期貸付金」「他会計短期借入金」は必要がないので相殺消去します。

 

 この結果、貸借対照表における内部取引勘定は全額が精算され、残高はゼロになります。

 

【仕訳例:内部取引勘定に残高があるので相殺消去します。】

 

 (会計区分は、公益目的事業会計、収益事業等会計、法人会計のいずれも可)
(借)他会計短期借入金×××/(貸)他会計短期貸付金×××

貸借対照表内訳表を作成する場合

 

 収益事業等がある場合には、収益事業等から公益目的事業への利益の50%ジャスト繰入をしているケースを除いて、通常は貸借対照表内訳表の作成をしなければならないこととなります。この場合には、内部取引勘定である「他会計短期貸付金」「他会計短期借入金」をすべて相殺消去することはできず、同一の会計区分内でのみ消去します。

 

 また、貸借対照表内訳表を作成したことにより、現金預金などの一部の科目がマイナスの残高表示になっていることがあります。とくに現金預金を会計区分別に設けていない場合には、公益目的事業会計が収支相償の影響により赤字が継続するために、現金預金残高がマイナスになりがちであリます。

 

【仕訳例:公益目的事業会計の現金預金が△20のマイナス表示であるので、これを20加算してゼロとし、同額を法人会計の現金預金から減額します。】

 

 (公益目的事業会計) (借)現金預金20/(貸)他会計短期借入金20

 

 (法人会計) (借)他会計短期貸付金20/(貸)現金預金20

 

【仕訳例:法人会計の内部取引勘定を相殺消去します。】

 

 (法人会計)(借)他会計短期借入金×××/(貸)他会計短期貸付金×××