V−1 会費規程等の見直しによる会費及び入会金の充当先(事業区分)の変更
公益社団法人の社員が支払う会費及び入会金は、一般社団・財団法人法第27条に規定する経費に該当するため、会費規程等において使途を指定していれば当該使途に、使途の指定が無ければ50%を公益目的事業会計の収益に計上することとなります(認定規則第26条第1号)。
例えば会費規程等を見直して会費及び入会金の全額を法人会計の収益に計上してよいこととすれば、収支相償の改善に著しく寄与することになります。ただし会費規程等の見直しのためには社員総会等で社員の合意が必要となります。
この方法を採用する場合の注意点は次のとおりです。
@過去に遡って会費及び入会金の拠出目的を変更することは、すでに会費の支払いをした会員等の信頼と利害を損なうことになるので、規程の変更決議後に徴収した会費及び入会金が使途変更の対象になると考えなければいけません。もし年度当初から使途を変更するならば、当該事業年度開始前に変更決議をすることが必要です。
A賛助会員制度を設けて、議決権のない会員にも賛助会費を負担させていることもありますが、このときは寄附金と同様に、使途の指定が無ければ全額を公益目的事業会計に計上することとなります(認定法第18条第1号)。このときは、会費規程等により使途の指定を変更して、例えば賛助会費の全額を法人会計の収益に計上することもできます。
B会費及び入会金の使途を定めた規程等を変更したときは、定款変更に準じて行政庁への変更届出が必要となります(公益認定等ガイドラインT−17(3))。